マネー・ボール December 21, 2008
野球という旧態依然とした、お金だけにものをいわせる大衆スポーツを科学的な選手評価手法と戦略で弱小球団を低コストで一流チームに仕立て上げた男のノンフィクション。ビリー・ビーンは頭脳明晰でずば抜けた身体能力と野球のセンスを有しながらメジャーリーガーとしては鳴かず飛ばずのまま、三流としてその現役を終えた。夢だった大学への進学までも犠牲にして味わった人生最大の挫折に彼は意味を見いだそうとしていた。自らスカウトにと裏方への転身を申し出て始めて彼は天職を得たように頭角を現し、ジェネラル・マネージャーとしてアスレチックスを一流チームに変身させた。
そこには旧態依然とした古株のスカウトとの戦い、他球団と選手を巡るだまし合い、今までの常識を覆す人材発掘法と野球を題材にした本でありながらビジネス書としても多くの教訓を秘めた作品となっている。ただ、残念なのは訳書だといまいち原書が持つユーモアがなかなか伝わってこない。

マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫) by マイケル・ルイス
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